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武田信玄 高坂昌信(源助)
あの手紙でどう言い訳ができると思ったのか、信玄さんに聞いてみたい。
[1回]
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武田信玄 武田信繁 高坂昌信(源助)
イキナリ信玄側の話。
高坂への信玄のお手紙の話はなんか青臭くて好きです。
小姓ってたくさんいて、いわゆる色小姓も何人もいるものだと思っているのですが、他の男に手を出す=浮気ってのがよくわからない…。
高坂は色小姓と言うよりも念弟って扱いだったのでしょうか…。
[1回]
小説: 直江兼続 上杉景勝
昔書いた直江兼続(与六)と上杉景勝(喜平次)の短編小説です。(少しだけ修正)
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いつか貴方に。
喜平次さまから実城さまの小姓に引き立てられ、身の回りのお世話をしながら、戦のこと、政治のこと、経済のこと、人心のまとめ方、色々なことを学ばせていただいている。
自分でも身分不相応なほどに優遇されていると思う。
色小姓と陰で言う奴らもいるが、そんな事実はない。
大体あの清廉潔白な(まぁたまにヒステリー起こすけど)実城さまがそんなふしだらな、ましてや私みたいな子供を相手にするわけがないのに。
毎朝、御花畑で花を摘み、御堂に供えるのは与六の日課になっていた。
謙信に命じられたわけではないが、少しでも彼の人に喜んで欲しいと自ら行い始めた。
毘沙門天への信仰が厚いなと謙信は喜んでいるが、与六は毘沙門天にはさほど興味がない。
正直に言えば悲しまれるので伝えるつもりはないが。
「与六」
御堂に向かう道すがら、与六は後ろから声をかけられた。
振り向くと木の陰に喜平次がひっそりと佇んでいた。
喜平次は謙信の甥であり養子。与六の本来の主でもある。
喜平次の住居は御花畑とは逆方面にあり、与六の日課を知っていてわざわざ寄ったのだろう。
「喜平次さま!何かご用でしょうか?
この花を御堂に供えてきましたらすぐに戻って参りますので、お待ちいただいてもよろしいでしょうか?」
たった今、御花畑から摘んで来た花を胸に笑顔で答える。
「………む。用、と言うほどのことでは………」
「では、御堂までご一緒しませんか?お話があるならその道すがらでも」
「………あぁ」
喜平次は喋るのがあまり得意ではない。
頭の回転が遅いわけではなく、上手く考えを伝えることが苦手なのだ。
特に感情面になると話すことはおろか、表情に現すことさえ上手く出来ずに癇癪を起こすこともしばしば。
与六などは逆にお喋りで感情表現が豊か過ぎるので、喜平次の寡黙さは羨ましく思っているのだが。
昔、喜平次の真似をして静かにしていたら、与六は何か病気になったのではないかと大騒ぎされた。
それ以来試していない。
喜平次が次の言葉を発するのを待つ。こう言う時は何を話したいのかは大体わかっている。
「…………叔父上は、元気か」
消え去りそうな声でそう呟く。
「お元気ですよ。
先日も喜平次さまが馬術の稽古をしているのを見学なされて成長したと喜んでおられました。
あ、何でしたら今からお会いに行かれますか?
今ならちょうど時間が空くはず…」
喜平次は少し顔を綻ばせ、しかしすぐに元の不機嫌そうな顔に戻り、首を横に振った。
「喜平次さまがいらっしゃればお喜びになられますよ」
「………」
そんな話をしてる間に毘沙門堂に着き、与六は昨日供えた花を先程摘んだ花に取り替える。
御花畑には御堂に供えるためと薬草用に一年中花が咲いており、毎朝1番綺麗に咲いている花を選び備えている。
今は春。
昨日は雪柳の花を供えていた。
散ると小さな花びらがまるで雪のように地面を白く覆う。
ようやく厳しい冬を越えたのにまたそれを連想させるこの花を嫌う大人もいるが、与六はこの花が好きだ。
小さく可憐ながらも力強く自身を主張しようとする芯の強い花。
「……それ、捨てるのか?」
喜平次が呟く。
「いえ、まだ綺麗ですし、私の部屋に移そうかと思いますが」
「…そうか」
その声に少し残念そうな響きを感じ、与六は振り返る。
「あ、私の部屋には一昨日供えた椿もあるんですよね。
この時期は花木が多いから長持ちするんですよ。
でも毎朝お供えするから、たくさんありすぎちゃって。
よろしければ喜平次さま受け取って頂けませんか?」
半ば押し付けるように雪柳を喜平次に渡す。
喜平次は少し困惑した顔をしたが、素直に受け取って呟く。
「………綺麗だな」
「えぇ。綺麗です」
喜平次が雪柳をじっと見つめている。
感情を上手く表せない彼だが、とても真っ直ぐで優しい心を持っているのは、与六が誰よりも知っている。
彼が、上手く向き合うことの出来ない養親 謙信を誰よりも慕い憧れていることも。
「それでは、私が自ら喜平次さまの部屋に生けさせていただきます!行きましょうか」
「……ん」
雪柳の花を手にした喜平次と再び歩き出す。
雪柳の花がふわりふわりと二人の後ろに落ちていく。
まるで彼の進む道をそっと見守るかのように。
喜平次はそれに気がつかない。
それが、まるで彼の人と彼の関係のようで。
与六は、喜平次の雪柳を持った手に手を添えた。
喜平次は不思議そうな顔をし花と与六の顔を見たが、特に何も言わずそのままにしておく。
いつか、通じるといい。
何故彼の人が私を小姓にと選んだのか。
政治や経済を学ばせているのか。
想いを伝えることも受け取ることも苦手な私の主。
それでも、その花を選んだ貴方になら、いつかわかるはず。
多分、そのために私はここにいるのだから。
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※雪柳って関東より西に分布する木だそうなので、
戦国時代の越後で育つかは未確認です^^;
2014/10/31
叔母上→叔父上に修正。
元々は女謙信ネタで書いていましたが、他の作品では叔父上呼びなので。
[1回]
絵: 虎千代(女謙信)
昔書いた女謙信こと虎千代ちゃん。
女謙信説もそれはそれで面白いと思ってます。
男でも女でも、気が強くて少し子供っぽくて寂しがりで
本当は戦とかするより書物読んだり庭仕事する方が好きで、
シスコンで泣き虫で凹みやすくて胃痛持ちなイメージ。
でも、戦になると高揚もしちゃう系。
[0回]